Transpo, Ottawa, ON



 Ottawaは人口80万人余の中都市である。英語圏のOntarioとフランス語圏のQuébecの均衡を図るため,州境のこの町が1858年に首都に定められた。軌道系都市交通としては,「非電化LRT」として知られる延長8kmのO-trainが南北に運行される。既存の貨物線を転用したため都心からは少し外れており,電気運転のLRT東西線で接続される計画である。しかしOttawaの公共交通の特徴は,軌道系よりもアクセス制限されたバス専用道"Transitway"にある。
 O-trainに関しては,沿線のCarleton大学が夏休みに入るのを待って,2013年4月末から18週間運休して設備増強を行い,現在の15分間隔から8分間隔へ増便する計画が発表されている。車両面では,Alstom製の2車体3台車ディーゼル車6編成が増備されるが,施設面では部分線増まで行かずとも,残り2駅に交換設備を設置すれば可能な頻度だと思われる。(Photographed in Nov. 2012 unless otherwise noted.)

This system map shows O-train and bus routes operated on Transitway, effective Nov. 2012.

Ottawa都心のTransitway上のMackenzie-King駅に停車する5系統。都心区間は一般車両の混入とバス自体の集中により,BRTの遅れの原因となっている。 O-train北端のBayview駅は,既存の貨物線を東に振って,上を交差するバス専用道 "Transitway"の停留場との接続を図っている。
Bayview駅に到着するBombardier-Talent製のBR643型気動車。3車体4台車で40mを超える車長や,同型車がDB等でも使用されていることから,LRV規格とは言い難い。かつて日本にもLRV規格の気動車が存在した。札幌市電鉄北線の北27条以北の非電化区間用に製造されたD1041号は,同時期のA820・A830型連接車と共通のデザインが採用されている。(札幌市交通資料館; 2008.6)
Bayview駅の線路終端。一旦停止の道路標識が余りに強烈で,写真を撮るのを失念したため,CBCテレビのニュース映像から借用。中間3駅のうち唯一の離合可能駅であるCarleton駅。2編成が当駅で離合を繰り返すことで15分間隔の運行が確保される。このため車両は予備を含めて3編成のみ。
車内の状況。両先頭車のドア間は低床化されているが,運転席と動力台車がある両端部は高床になっている。南側の終点Greenboro駅に停車中の列車。ホームは編成長より短く,両先頭車のドア間+αしかないが,ドア前後の窓高の違いが判る。
Greenboro駅に接近する列車。Confederation~Greenboro間で,いずれも単線のVIA Rail及び旧Ottawa Central鉄道(現CN)と平面交差する。当線の車両基地はOttawa Central線内のWalkley操車場構内にあり,右側に分岐する亘り線を使って出入庫する。Greenboroから南,Prescott方面に続く貨物線。この線路を使って,O-trainをOttawa MacDonald-Cartier空港(YOW)へ乗入れる延伸計画がある。
バス専用道"Transitway"のGreenboro駅。本線は2車線で駅部分は追越しのため4車線化されている。O-trainと接続する当駅止の折返し便が多数設定されているため待機場があり,折返し便は島式ホーム左側で降車客を扱う。Greenboroの駅入口。Transitwayの北行単式ホーム,南行島式ホームとO-trainホームは,密閉式の跨道橋で連結されている。
(12/7/2012)