Immigrant Caravan reached Tijuana, MX, Nov. 2018



10月中旬にHondurasをスタートした移民行進"Caravan"は,途中で合流した人を含めて1万人とも伝えられるが,11月18日に約3千人がアメリカ国境の町Baja California州Tijuanaに到達した。写真はアメリカCalifornia州San Ysidroから,メキシコ側のTijuanaの町を,自動車検問所越しに見たもの。(2/21/2014)

報道によれば,Trump大統領は10月22日,「Guatemala, Honduras, El Salvadorは移民集団の出国と米国への不法入国を阻止することができなかったこと」を理由に,これら3ヶ国へのODAを「停止または大幅に削減する」旨,Twitterに投稿した由である。しかし移民(経済難民)が発生する要因は,所得格差(貧困)や治安悪化であり,これまでのODAが発生国の状況改善には不十分であったことを示唆する。

居住地選択が所得格差と正の相関を持つことは周知の事実であり,ODAの意義は「情けは人のためならず」の実践にある。すなわち自国の購買力の一部を低所得国に移転することで,その国から移民発生を抑制することが期待でき,結果的に自国の経済的安定の維持につながるからである。現状で困窮している被援助国の資金繰りを更に悪化させることで,移民発生を抑制できるはずはない。

どこの国でも専門知識を持つ高学歴者(医師や研究者等)は歓迎される傾向だが,低技能の移民は自国民の雇用維持という観点から歓迎されない(学歴と技能は一致しないが,ここでは敢て区別しない)。しかし特に経済難民については,現実は異なる。Trump大統領の「Caravanには大勢の犯罪者や中東のテロリストが混ざっている」という主張は根拠に乏しいが,アメリカに関する限り,中南米からの移民がアジアやアフリカからの移民に比べて平均的な教育水準が低いことは,統計上確認できる。

下表は"Database on Immigrants in OECD Countries (DIOC) 2010/11”による,アメリカへの移民の出身地域別学歴別人数である。因みに出身地域は出生国によるが,日本の国勢調査には出生国や滞在期間のデータが含まれず,国籍による分類しかない。このため日本で生まれた在日3世や4世も,日本国籍を取得しない限り移民扱いになるという統計上の不備が指摘される。しかし完全な出生国主義を採る場合にも,例えば両親の海外赴任中に生まれた子供は自国国籍を持っていても形式上移民になる等,移民を正確に定義することは難しい。(11/21/2018)

出身地域中卒以下高卒・専門学校大卒・院卒大卒以上の率
Africa330,120585,923669,34642.2%
Asia2,475,5423,448,7515,613,97148.7%
Latin America11,306,9458,356,4623,217,26814.1%

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San Ysidro--Tijuana間の国境をTrolley(LRT)で越えることはできないが,El Paso, TX--Juáres間の国境には,1974年9月までRio Grandeを越えてPCC carが走っていた。1974年当時の古い車両を改修して,2018年11月9日から,El Paso中心部のループ線でTrolleyの運行が再開された。いずれは「国際路面電車」の復活を目指す計画もあるようだ。

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  • Background (Fast Company)
    (11/23/2018)